
最近スイ(SUI)が話題だけど、どんな仮想通貨なの?
2023年にローンチされた新しい仮想通貨「SUI(スイ)」が、わずか1年足らずで爆発的な成長を見せ、仮想通貨界で話題になっています。
この記事では、SUIがなぜ急成長しているのか、技術や仕組み、投資先としてのリスクについて分かりやすく解説していきます。
SUIとは?

SUI基本情報
通貨名 | SUI(スイ) |
ネットワーク | 独自L1ブロックチェーン(Sui Network) |
開発元 | Mysten Labs(ミステンラボ) |
ローンチ時期 | 2023年5月 |
開発言語 | Move(安全性・柔軟性に優れたプログラミング言語) |
処理速度 | 高速(最大数万TPS) |
特徴 | 並列処理、低ガス代、即時決済など |
主な用途 | 手数料支払い、ステーキング、ガバナンス投票など |
対応分野 | ゲーム、NFT、DeFi、分散型アプリ(dApps)など |
SUIは2023年5月にローンチされたばかりの新しい仮想通貨です。わずか数ヶ月で時価総額トップ20入りを果たすという爆発的な成長を見せています。
SUIは、次世代の分散型インフラとブロックチェーン技術を開発しているテクノロジー企業の「Mysten Labs(ミステンラボ)」によって開発されました。
注目すべきポイントは、Facebook(現Meta)のDiemプロジェクト出身の開発者たちが中心となって開発しているという点です。
SUIの主な特徴
- 独自のプログラミング言語「Move」を採用
- 高スケーラビリティを実現するための「オブジェクトベースのデータモデル」
- 処理速度が非常に高速(理論上、秒間12万トランザクション以上)
- 「Narwhal + Tusk」という独自のコンセンサスアルゴリズム(承認方法)を採用
SUIのMove言語は、セキュリティ性が高く、DeFiやNFTなど幅広い開発に対応可能です。これにより、SUIチェーン上にはさまざまなdApp(分散型アプリケーション)が次々と登場しています。
SUIが急成長した3つの理由
SUIの爆発的な成長には、以下の3つの要因が大きく関係しています。
① 圧倒的な処理速度と低コスト
② 強力なバックグラウンド
③ エコシステムの急拡大
① 圧倒的な処理速度と低コスト
SUIはトランザクションの並列処理に優れており、イーサ(ETH)やソラナ(SOL)などの既存チェーンに比べても極めて高速で安価な取引が可能です。
その理由としては以下の通りです。
✅並列処理が可能
通常のチェーン(イーサなど)では、取引は1件ずつ順番に処理されますが、SUIでは、複数の取引を同時に処理(並列処理)できます。
✅ ユーザー自身のオブジェクトは即時決済
SUIでは、「オブジェクト(=NFT、トークンなど)」が誰の所有物かが明確に管理されています。そのため、自分のオブジェクトを操作するだけであれば、ネットワーク全体の合意形成(コンセンサス)を待たずに、即時処理が確定します。
つまり、他の人の確認を待たず、すぐに取引が完了する仕組みになっているのです。

例えるならば、1列のレジに並ぶ(イーサ)」vs「セルフレジで同時に会計(SUI)という感じです。
このように、独自の設計で高速処理が可能となっているため、ネットワークが混雑しにくく手数料も安く済みます。
これにより、ゲーム、NFT、DeFiといったトラフィックの多いアプリケーションでもストレスなく運用ができるのが魅力です。
② 強力なバックグラウンド
SUIを開発するミステンラボ(Mysten Labs)は、以下のような超大手VCからの資金調達に成功しています。
Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ) (通称:a16z)
→ アメリカ・シリコンバレーの有名ベンチャーキャピタル(VC)。
Coinbase Ventures(コインベース・ベンチャーズ)
→ 米国最大手の仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)が運営する投資部門。
Binance Labs(バイナンス・ラボ)
→ 世界最大級の仮想通貨取引所Binance(バイナンス)が展開するインキュベーション&投資部門。
2022年にはシリーズBラウンドで3億ドルの資金調達を実施し、Mysten Labsの評価額は20億ドルを超えました。
これにより、開発リソースも豊富で、継続的な成長が見込まれています。
③ エコシステムの急拡大
SUI(スイ)のブロックチェーン上では、すでにたくさんのアプリやサービス(dApps=分散型アプリケーション)が作られています。
たとえば、こんなジャンルで展開中です。
- DeFi(分散型金融)
→ 仮想通貨を使った投資や資産運用サービス
✅Turbos Finance(分散型取引所DEX。板取引できる)
✅Cetus(AMM型DEX。簡単にスワップできる)
✅Aftermath Finance(DEX+ステーキング+レンディングもできる総合DeFi) - NFTマーケット
→ アートやゲームアイテムの売買ができる場所
✅BlueMove(SUI最大級のNFTマーケット)
✅Keepsake(NFT販売に特化。クリエイター向け機能が充実) - GameFi(ゲーム+金融)
→ 遊んで稼げるブロックチェーンゲーム
✅Abyss World(RPG系)
✅Run Legends(フィットネスゲーム)
これらのプロジェクトが活発に稼働することで、SUIトークンの需要が継続的に生まれている点も見逃せません。
さらにSUIでは、「Sui Foundation」という支援組織があり、開発者に資金提供(Grants)を行って、新しいdAppsの開発をどんどん後押ししています。
これによって、今後も新しいアプリやゲームが増え続ける可能性が高く、SUIエコシステム全体がどんどん盛り上がる期待が持たれています。
SUIの価格推移と最新チャート分析
SUIがローンチしてから2025年4月までの週足チャートは以下の通りです。

SUIは2023年5月にメジャー取引所に上場し、上場初日は1.4ドル前後をつけました。その後は価格調整を経ながらも、2024年末には1ドルを大きく超える水準で推移してきました。
2025年に入ってからは、以下のようなポジティブニュースもあり、再び価格が上昇基調となっています。
- Binanceなど大手取引所での流動性強化
- エアドロップやインセンティブキャンペーンの実施
- パートナーシップ拡大(例:LayerZeroとの統合)
現在の価格帯は、エコシステムの成長やトークンユーティリティの拡充を考慮すると、長期的には割安とも言えます。
例えば、流動性の強化、インセンティブキャンペーン、パートナーシップの拡大といった要素は、今後数ヶ月から数年にわたってSUIの利用価値を高める要因となります。
そのため、今の価格が低い段階で購入しておくことで、将来的に価格が大きく上昇する可能性があります。
SUIの投資リスク
SUIの将来性は非常に高いと考えられていますが、当然ながらリスクも存在します。
- 価格の値動きが激しい
- エコシステムがまだ発展途上
- コンセンサスアルゴリズムやMove言語に関する技術的リスク
価格の値動きが激しい
SUIは、2023年に誕生したばかりでまだまだ時価総額が小さい仮想通貨であるため、ボラティリティ(価格変動)が大きいという特徴があります。
これは、仮想通貨全体に言えることでもありますが、特に新しいプロジェクトやエコシステムでは、投資家の期待や不安が価格に大きな影響を与えやすいです。
そのため、SUIを保有していると、短期間で価格が大きく変動することがあるので、投資判断に慎重さが求められます。
エコシステムがまだ発展途上
SUIは、まだ発展途上のプロジェクトです。
例えば、イーサ(ETH)やソラナ(SOL)などの既存のブロックチェーンに比べて、SUIのエコシステム(アプリなど)はまだ成長過程なので、以下のような不安要素があります。
- アプリケーション(dApps)やゲームの数が少ない
- 開発者の数や新しいプロジェクトが増えるのはこれから
- ユーザー数が増えるかどうかはまだ不透明
今後の成長には時間がかかる可能性があり、そのため短期的には価格が不安定になる可能性もあります。
SUIが広く採用されるかどうかは、今後のエコシステムの成長にかかっています。
技術的リスク
SUIは、独自の技術を使っています。
その中でも特に注目すべきは、コンセンサスアルゴリズム(取引の承認方法)とMove言語です。
1. コンセンサスアルゴリズム(取引の承認方法)
SUIは、一般的なブロックチェーンで使用されている「PoW」や「PoS」と異なる、新しいコンセンサスアルゴリズム「Narwhal + Tusk」を採用しています。
この方法は、処理速度の向上や効率化が期待できますが、逆に技術的な問題が出ると、ネットワークの安定性やセキュリティに問題が生じる可能性もあります。
2. Move言語
SUIは、Move言語という独自のプログラミング言語を使用しています。
この言語は、従来のブロックチェーンよりも高いセキュリティを提供することが期待されていますが、新しい技術には常にリスクが伴います。
もしこのMove言語にバグがあったり、開発が進まなかったりすると、SUIのエコシステム全体に影響を及ぼす可能性があります。
まとめ:SUIは注目すべき次世代チェーンの1つ
SUIは、技術力・資金力・開発力を兼ね備えた新興ブロックチェーンとして、今後さらに存在感を増していく可能性があります。
短期的な価格上昇だけでなく、中長期的な視点でSUIを分析することが重要ですね。
投資を検討する場合は、分散投資やドルコスト平均法などの戦略を取り入れつつ、プロジェクトの進捗を定期的にチェックするのがオススメです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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